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作家になるには?作家として活動するために知っておきたいこと

更新日:2022年2月3日

「作家になりたいけれど、どうやったらなれるんだろう」

「小説家は才能がある一握りの人しかなれないのかな?」


こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

実は、作家になるのに才能も学歴も必要ないのです。才能は日々の習慣と訓練で生み出していけます。

ここでは、実際に作家業を営んでいる筆者が、小説家になるための方法や、小説家に求められるスキルなどをご紹介します。


【目次】
1.小説家(作家)とは
2.小説家に求められるスキル
3.小説家になるための学習方法
4.作家になるのには年齢も学歴も関係ない!

1.小説家(作家)とは

小説家とは、読んで字のごとく、小説を生み出す人のことを指します。

自らの経験や知識、想像を生かして物語を執筆します。例えば私ならミステリーや時代物といったように、ほとんどの小説家は専門のジャンルを持っています。


<小説のジャンル>

・推理

・純文学

・文芸

・SF

・恋愛

・ライトノベル など


得意分野・デビューした分野から徐々にジャンルを広げていき、時代のニーズに沿った作品づくりを行います。


小説として世に出される作品には種類があります。作家の書いたものがそのまま本として出版されるケースを「書き下ろし」といい、新聞・雑誌などに各月寄稿する小説を「連載小説」といいます。


後述しますが、最近では、電子書籍やWeb小説など、作品を発表する場は広がっています。必ずしも紙の書籍を発行していなくとも、「小説家」になれるのです。


小説家の仕事内容

小説家は、頭のなかで巻き起こっているドラマを文字に起こし、文章で世界を表現するのが仕事です。

作家は、志望者の数に比べて成功者が極端に少ないのが現実です。それは、なぜなのでしょうか。


作家には書きたいことを作品として完成させる能力だけでなく、作品を書き続けるためのアイデアや書き続けるも必要とされるからです。


仕事としては困難なことが多いですが、完成させられたとき、そして作品が世に出たときには、物語で人に感動や楽しみ、時には悲しみや辛さを与えられるとても魅力的な仕事といえるでしょう。


作品を待っていててくれる読者の存在が、創作の原動力になります。応援の言葉やメッセージ、感想などは作家にとって本当にありがたいものです。作家生命を長続きさせるだけでなく、作品自体を長生きさせることにもつながります。


小説家の働き方

小説家の働き方は、場所や時間の制約が少ないのが特徴です。打ち合わせを経てプロットを立て、書く方針が決まったらあとはひたすら、締め切りまで何時間にもわたって原稿を執筆します。

そんな中で、物語の展開やアイデアが浮かばずスランプに陥ることも……。作業に没頭できる継続力・体力・精神力は必要不可欠と言えます。 売れっ子になればなるほど、マスコミへの露出も増えますから、執筆以外の仕事が増えることになるでしょう。


2.小説家としてデビューする6つの方法


作家になるための決まったコースはありませんが、ある一定の「王道コース」は存在します。ここからは、小説家としてデビューする6つの方法について見ていきましょう。

1.WEBサイトで小説を公開する
2.自費出版
3.出版社に営業する
4.同人作家としてキャリアをつくる
5.小説家を育成する専門学校に通う
6.文学新人賞を受賞する

この6つを順にご説明します。


WEBサイトで小説を公開する

新人賞受賞と並んで主流になってきたデビューの方法として、川原礫先生の『ソードアート・オンライン』のように、WEBサイトで小説を公開する方法があります。


最近は、ブログやTwitter、サイトなど、誰でもWEBで自分の作品を投稿できるようになりました。特に小説投稿サイトでは出版社とコラボレーションをしていることがあるため、デビューのチャンスが増えているのです。


ツイッターなどでもリツイートが多数され、いわゆる「バズる」状態になると、一気に単行本化される可能性もあります。

自費出版

自費出版とは、その名の通り自分のお金(自費)で小説を出版する方法です。担当編集者のアドバイスをもらいながら出版できるので、しっかりした本に仕上がりますよ。


【自費出版するには】 1.自費出版を勧めている出版社に持ち込む 2.出版社が主催している文学賞に応募する


2は主に自費出版専門の出版社が開催しており、1~3作品ほど選ばれて自己負担の金額を減らしたり、出版社が全額負担して出版してくれるものです。ただ、応募数も多く、なかなか通らないことも多いのが現状です。


実は筆者も自費出版で小説を出版したことがあります。私の場合は、応募し、全額負担ではなく自己負担の金額を減らして出版してくれました。


大幅な編集が必要な場合は、自己負担額は多くなります。場合によっては、100万円以上かかる場合もあるので、出版社の方とよく話し合って決めていきましょう。


出版社に営業する

漫画の持ち込み、つまり出版社に漫画の営業を自分でかけることは珍しくありません。しかし、一般的に小説の持ち込みは出版社ではあまり受け入れてもらえません。


単純に文章力を測るのは一見するだけでは難しいのもありますし、長編になると読むのも時間がかかります。ですが、出版社のホームページにて【原稿募集】とされている場合は、受け付けてくれる可能性もあります。


ただ、持ち込みではなく、郵送・メールのみの送付受け付けの可能性もありますので、しっかり確認するところから始めましょう。京極夏彦先生の『魍魎の匣』も、出版社への現行持ち込みから発売が決まったんですよ!

同人作家としてキャリアをつくる

同人作家は、同人誌などを出版し、コミックマーケットなどで販売している人のことです。ただ、同人誌の売り上げのみで生活している人はほんの一部。ほとんどは本職を持ちながら趣味の一つとして同人誌を作っています。


その中から高い人気を得たり、多くの人に読んでもらえたりすると、出版社から声がかかり、商業デビューへの道が開ける可能性があります。同人作家からデビューした小説家として有名なのが、『十二国記シリーズ』の小野不由美先生です。

小説家を育成する専門学校に通う

作家の基本となる文章の書き方やアイデアの生み出し方など、学校で基礎技術を学ぶのもおすすめです。業界と太いパイプを持つ専門学校なら、デビュー・就職サポートも行ってくれます。


文学新人賞を受賞する

作家デビューする王道ルートとして、出版社などが企画する文学新人賞を受賞することがあります。最もポピュラーなのが出版社系の賞です。

  • 純文学系:『文學界』『新潮』『群像』

  • 大衆文学系:『小説現代』『オール讀物』

などが定期的に募集しています。地方自治体などが主催する新人賞もありますから、自分の書いているジャンルに一番近いところに投稿するようにしましょう。


(豆知識メモ)

文学新人賞でデビューした小説家

・『食堂かたつむり』小川糸


・『四十九日のレシピ』伊吹有喜

・『ビオレタ』寺地はるな


3.小説家に求められるスキル


次に紹介するのが、小説家に求められるスキルです。小説家になりたいと考えているなら、自分がどの程度小説家に適しているか、スキルを持っているかを知っておいたほうがいいでしょう。


1.語彙力
2.正しい文章を書く力
3.表現力
4.構成力

この4つを順にご説明します。


語彙力

語彙力は、小説を書くうえで欠かせない能力です。もちろん、小説だけではなく、レポートや記事を書くためにも語彙力は不可欠です。


語彙力があればあるほど表現の幅が広がり、一つの色、一つの景色を伝えるだけで、物語が豊かになり、深みが出ます。


逆に語彙力がないと、たとえ内容が良くても、どうしても平易で拙い文章に見えてしまいます。作品のネタはいいのに読まれにくいという、非常に損なことになってしまうのを避けるためにも、語彙力は身につけましょう。

正しい文章を書く力

正しい文章を書けることは、作家になるためには欠かせない能力です。正しい文章を書けないと、意味が通らない支離滅裂な文になってしまいます。もしくは冗長な表現になり、読み飽きる原因になることもあるでしょう。


それと同時に、正しい文章が書けるだけでも作家にはなれないという諸刃の剣でもあります。


私の経験ですが、とある賞に応募した時、「あなたの話は文章はとてもきれいだが、小説としては物足りない」といわれて落選したことがあります。しかし今、正しい文章が書ける・正確な文法がわかるということは、文章を書くことを生業にするにあたって非常に役立っています。


正しいだけではだめですが、正しい文章を書けないことには、作家としては成り立たないのです。

表現力

自分が一読者として小説を読んでいるとき、心震えるような一文に出会うときもあるでしょう。表現力のある人の小説は読者の意表を突く言葉を生んだり、はっとする表現を生んだりします。


豊かな表現で描かれた小説には感情移入しやすく、物語にどんどん引き込まれていくもの。日々アンテナを巡らせ、新鮮な気持ちで物事をとらえましょう。


構成力

構成は、物語における骨組みです。これは小説に限らず、今読んでいる記事にも構成があります。上手な構成で仕上がっている小説は、読者がストレスなく読み進められます。


そのなかにあっと驚く展開があるような小説こそ、読み手を楽しませるいい小説といえます。構成こそ、「小説の心臓部」と言ってもいいでしょう。


4.小説家になるための学習方法

小説家の腕を磨く一番の方法は、なんといっても「書くこと」です。とはいえ、むやみやたらに書いても時間がもったいないですよね。そこで、最後に解説するのが、小説家になるための学習方法です。

1.多くの小説に触れる
2.ニュースや新聞、書籍などを読む
3.専門分野の学習
4.小説を実際に執筆する

この4つのポイントをもとに説明していきます。それぞれチェックしていきましょう。

多くの小説に触れる

これは実体験から言えるのですが、多くの小説に触れることは、小説家になるにあたって非常に大切なことです。自分の中からアイディアや文章を生み出すためには、自分自身の中に情報を貯めておく必要があります。


私にとっては谷崎潤一郎がそうだったように、必ずあなたの琴線に触れる文章に出会えます。たくさんの文章を読むうちに、「こんな表現をするのか」「文章の言い回しがきれい」「物語の構成がうまい」などの感情が生まれてくるでしょう。その気持ちは、自分の小説を書くときに確実に役立ちます。

ニュースや新聞、書籍などを読む

ニュースや新聞にはオーディエンスが考えている「世論」があります。実際に世界で起こっていることを知ることで、小説の中の登場人物の思考に反映させられるのです。


ニュース・新聞を読んでいるうちに、小説の題材を見つけられるかもしれません。美術や音楽、伝統工芸品など、文章以外のものから刺激を受けるのもいいでしょう。また、ニュースや新聞、書籍などを読むことで、自分がどんな分野に興味があるのか理解できるのも利点と言えますね。


専門分野の学習

作家が専門分野の情報を理解することで得られることもあります。例えば、推理ものを書こうと思ったとき、警察についての知識や、科学捜査についての知識がないまま書くと、違和感が生まれたり、薄い内容の話になったりします。


逆に、そのジャンルの知識を得ていくことで意外な驚きがあったり、新たなネタの発見につながったりもするんですよ。


自分が目指すジャンルへの深い知識と十分なリサーチを可能にする人脈の広さを身に着けることで、面白い・他の人には書けない小説が書けるようになるのです。

小説を実際に執筆する

小説家になるためには、とにかく毎日書くことが大切です。

実は作家の中で、最もやってはいけないことが「未完成」だといわれています。頭の中に構想だけがあっても、それが執筆されなくては意味がありません。考えた構想は、たとえ下手でも、たとえ納得がいかなくても、最後まで書ききることが大事です。


そして、書ききることというのは、とても大変なことです。途中で何度もくじけそうになるでしょう。しかし、プロのスポーツ選手が一日でも練習を休むと素人同然になってしまうように、作家も書くことを一日でもサボると、素人と同じになってしまうと言われています。


原稿用紙1ページでも、1行でもかまいません。毎日書き続けて、あなただけの物語を完成させましょう。


5.作家になるのには年齢も学歴も関係ない!

いかがでしたか?

医師から作家になった人、ギャンブラーから作家になった人、風俗嬢から作家になった人、そして私のように図書館司書から作家になった人など、「作家への道」は作家の数だけあります。


嘘みたいですが、私は小学1年生、6歳のころから書き始めて、30歳になって初めて、小説に関する仕事を得ることができました。今では、小説だけでなく、記事などの書き物で生計をたてられています。嘘みたいな本当の話です。


つまり、小説家になるためには、才能も学歴も関係ないのです。

必要なのは、「作家になってたくさんの人に自分の作品を読んでもらいたい」という気持ちだけ。 この気持ちを持ち続ければ、いつか夢が叶うはずです。どこで縁が巡ってくるかわかりません。諦めずに小説を書き続けてくださいね。





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